室内風景 


「あれ、どこだっけ?」と何かのファイルを求め、
PCの中を探し回り、普段は眺める事のない過去の
フォルダーで、余計なものを見つけたりする。


「ホゥ!」と思い、探していたものを忘れる・・・


「窓」に続いて、そのようなものを紹介する。
案外、素直に客観的に取組んでいるように思う。


標準的な空間として、12帖の、天井高さ2400mmの
室内風景、リビングだろうか、を模して、
窓の開け方を様々に試したCGパースです。




スケール感を得るために椅子を二脚、置く。
ごく標準的な空間ではないでしょうか。


個人的にはこの四角く枠どられて閉じ込められた
ような空間をどうにかしたいと考えたのが、
事の始まりであったと記憶する。




椅子のある”場所”を、もう少し趣のあるようにと、
天井の低い部分を設けてみた。


低く抑えた天井はこじんまりと人に釣り合うスケールを
見出せると思う。室内からある部分を切り取り、
何かしら”場所”を創るキッカケになるか?


ただ、この絵ではやや寂しい様子。工夫は欠かせないか。




高い天井はいつも人気らしい。しかしこれも、
工夫がなければ空虚なだけになるかもしれない。




コストや技術面を無視し、思い切った窓を設ける。
室内の向かい合う二面の壁、その上部を切り取る。


随分、開放感が増したように思う。基本的に空間は
四隅が決まると閉じてしまう。閉じた箱の四隅を
壊すように開放すれば、空間は伸びるかもしれない。




その窓を下に配置してみた。実際には光が下に
来るので、重心の低い空間が出来上がるだろう。
ここまで開放的にすると、不安感も強まる。


その不安感は足元が覗かれるように感じるから
だろうか。見える庭はプライバシーの確保が
必須となるだろう。




先の二つを組み合わせてみる。南側を低く、
北側を高くという設定。バランスは悪くなく、
動きも感じられるので変化に富むように見える。




思い切って、眺望を期待しない窓だけで創る。
スリット窓からの日差しは、おそらく室内に強い
コントラストを創り、印象的な風景となるだろう。




奥の壁を互い違いに床から天井までの窓としてみた。
一枚目と比べると、随分、開放感が違って見える。
空間は閉ざされずに伸びて行くようにも見える。




その床から天井までの窓を正面の両脇に置いてみた。
随分、開放的ではないか?


眺望窓ではないけれど、これだけ窓が大きいと、
外は見えるし、外からも覗かれるのだろう。


そもそも窓を開けるには、プライバシーなど
様々が関わる。場所を選んでは開けたい。








これらはあくまでパース上のお話。
実際の光の具合、明るい、暗いが顕著となり、
写真を撮るなら苦労するものも少なくないだろう。


標準的な空間であっても、窓の工夫によっては、
随分と印象の異なる可能性を感じて頂けたら幸い。


風景までを含めた『外』との関係を正して計画し、
取組むなら、プランからは見えない可能性がある。
と、私は考える。


求められる室内風景に最も適した様を探し求め、
思索するのみ。






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