DOMA/道南の家 設計 vol13 「実施図面」その3

図面の中でも特に好きなのが矩計(カナバカリ)図。これが描き上がると、
空間が出来る!その実感が沸いてきます。DOMAでは・ ・ ・ 
   

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この矩計図を描くのにどれほどの時間を費やしたのかわからない。


あっさりとした図面なのだけれどDOMAの全てが凝縮している。構造図の成果が
反映され、断熱仕様や暖房も図示される。眺望、採光、換気が解かれ、各部の
高さが明示されている。空間が地に根ざすよう可能な限り高さを押えたデザイン、
少しでも高くなると浮き上がり緊張が解けてしまうようで、ミリ単位の調整を何度も
チャレンジし納得行くまで描き直したものだ。


平面図が人の動きを図示するのに対して矩計図もしくは断面図とは”空間”を表す
図面となる。実際に立ち会うのは空間であり、この図面の良し悪しが問われること
になる。断面のカッコよい建築はその空間がカッコよい。




ギリギリまで削ぎ厳しく求めた空間、光や風が満ちる姿を見るまではまだ時を経る
こととなる。実施設計は開始してから既に1ヶ月半が過ぎようとしていた。次はいよ
いよ見積もり依頼をし、業者の選定となる。


※設計事例として”DOMA”(写真集に掲載)、その過程を紹介しております。