キッチン その1  ■S-house vol.16


S-Houseのキッチンは造作キッチン。デザインはオリジナル。
長さ2800mm×奥行き800mmの大きなキッチンをリビングの
一方に配置する、LDK一体のオープンな空間が特徴となる。


S-Houseのインテリアは白と黒のコントラスト、モノトーンを基調
としている。キッチンの箱は黒、この黒が重々しくならないように
軽さを大切にしつつ、主張あるデザインとしている。


インテリアとの一体感、軽快なデザインとしたDOMA/yamanoteの
キッチンと実はコンセプトを共有する。けれどデザインの方向性は
異なり、仕様も異なることから、図面は一から製作する。






キッチンの詳細は工事が始まってから細部にわたり検討が始まる。
監理業務ではオリジナルのキッチン製作は半端ない労力を要する。
住宅の中で最も機能性が問われるデザインは、実に容赦がない。


コンロ、食洗機、水栓金具、レンジフード等の機器選定、収納は具体
的な勝手や収納内容を検討し、天板の仕様や箱の形状、仕様など
一通りを図面化する作業は、簡単な家一軒分は掛かりそうな勢い。


製作依頼先のI氏とは、友達かのように頻繁に打合せすることになる。
彼の協力には大変感謝しつつ、安心して任せられるのだけれども、
主導権は渡してなるものかと、駆け引きまでも楽しめてしまう。




カップボードや家電類はコスト削減という意味もあり、一室を設け隠し
てしまっている。クライアントの希望もあり、ここも設えることになった。
ここは見えない収納スペース、既製品を流用し安価に済ます計画。


リビングのキッチンと対するもう一方にはTVスペースがある。ここに
設置するTVキャビネット家具の製作もする。キッチンのディテール、
素材、仕上げを周到して、全体のデザイン統一を計っている。








どのような過程を通じてキッチンが出来るのか?その2以降に続く。