DOMA/道南の家 設計 vol4 「延期」

プレゼンテーションはお会いしてから1ヶ月ほどが過ぎた頃となった。要望は
明快で簡素、条件は少なく自由度は高い。条件は緩く見える・・・しかし、純粋
に求めることが出来る!という意ではこれほど難しいものはない。


お見せする時の鼓動は、聞こえてしまうのではないかといつも思う。喜んで
くれるのか?興味を抱いてくれるのか?なにより楽しんで頂けるのか?
不安と期待の対面でもある。遠慮は全く不要、想うままをお聞きしたい。


プレゼンテーションは健やかに終えることが出来た。どう思われたのか?
実はそれを聞けるのは2005年のこの提案から4年の月日を経ることになる。


・・・後の返事は「延期」であった。


渾身の一案、延期の連絡はとても残念であった。ただ恨むことではない。


嬉しかったのは2009年に再開し再会した際だった。長い月日、このプラン
を大切にし、温めていて下さったこと。本当に気に入って下さりイメージを
膨らませていてくれたこと。こんな嬉しいことはない!


その揺るがぬ強い想いは設計者の責任の大きさを知り覚悟を決めさせる。
そして”楽しさ”への飽くなき追求が始まる。
・・・続く。