水源池

陽よりも先に森に入る。まだ寒い。
雪のシロと草木の真直ぐな影のクロと空のアオ。
いつしか怒涛の雪解け水が押し寄せて流れ、
そのうち水は淀み留まり落ち着き始め、
潤うように滲みて行く。春だろうか。

近所の西岡水源池にはしばしば通う。
野鳥観察でもなく、ただふらりと森に入る。

「早起きをすると三文の得があります。」と
いつもあるクライアントに言われてしまう。

昨年気がついた水滴の世界。暖かくなった証。
道端でうずくまる人がいたら、おそらく私。
この水滴、陽が高くなると消えちまう。
時々、早起きをしてみたくなります。