敷地に立つ。

今回訪ねた敷地、実はもう半月も前に図面を起こしていた。
初めてなのに迷わないほどgoogleマップで散歩もしていた。


建築にとって場所は必須の条件となる。
場所を実際に見て感じるまでは、手を動かさないと決めている。
そして、ようやく出会うことが出来た。この出会いが楽しい。





遠方故に容易には行けない。的確に記憶すべく取組む。
函館に着いて直ぐ、1時間以上はそこで過ごした。
昼過ぎにはクライアントと一緒にサイクリングで訪ね、
打合せを終えた後に余韻を確かめるべく、夕暮れも訪ねた。


体が、敷地の広がりを覚えたように感じている。
写真はサイクリングでクライアントと訪ねた時のもの。




庭の実験らしい。何もない敷地の一角に小松菜が青々と。




建築は南に伸びたがっているように感じる。











塀を伴う低い構え、押縁の下見板の密な表情を持つ小柄な佇まい。
周辺にはそんな趣きのある建物が少なくない。


風向きによっては波音も聞こえるという。
少し走ると直ぐに海に出る。振り向くと、立待岬が見えた。


遊びに行くであろう場所には、箱庭のような小さな遊園地。
そこにあるミニチュアのような日本最古の観覧車は壮観だった。
乗るのは、違う意味で少し怖そうだけれど。


サイクリングはとても良い企画だったと思う。
少なくとも、自分には敷地を大きく捉えることが出来た。
問題を大きくしただけかもしれないけれど、
多くのヒントを街並みからも頂いたように思う。


打ち合わせは随分長くなってしまった。その成果をどこまで結び
付けられるか?今はまだどう紡ぐかの方法を模索し始めたばかり。
上手く育てられれば、コンセプトに出来るかもしれない。


敷地を体感し、具体的ではないイメージある要望を聞け、
答えともならない様々をお聞きし、街並みに誘発される。

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