空間は断面に宿る。

一般には『平面』の方が重宝されるのだけれど、
空間は『断面』の方が明快に伝わると言える。
個性はむしろ断面の方が強いのではと思う。


平面が素晴らしくとも立体を約束するものではない。
立体的な、つまり『空間』を常に念頭において建築を
バランスさせて行くのが設計なのだと思う。


断面を検討し、描いた図面の中に”人”を置く。
”人”を置くとその大きさに実感がこもる。
その時に強い緊張を感じることがある。
緊張のない時は間の抜けた空間に過ぎないかもしれない。


この緊張、自らの図面に覚える時はいつも身震いがする。


今進める実施住宅案もまた、この緊張を感じている。
その緊張が一つの像を結ぶよう収斂すれば、それは、
きっと良い建築となるに違いない。



試しに、図面に置いた”人”だけを取り出してみた。
人と人のと距離に、
その緊張の秘密があるのかもしれないと思う。