【 bookshelf 】 10周年!

この11月で築10年を迎える札幌近郊の住宅【 bookshelf 】、先日はお招き頂き、ご馳走になりました。
しばしば遊びにもお誘い頂いているので、定期的には通っていたものの、改めて眺めてみて思う事は多々。
実に丁寧に住まわれていて、建築は綺麗。あらわしの構造木部はいい具合に変色し、落ち着いた雰囲気でもあり、
今だ電球の灯る室内は温もりに満ちているように感じられた。
自分が携わったのは10年より前の1年半ほどの期間になるだろうか。
その後ここに住まい、今も住まわれているという事実は何にもまして迫力ある現実であり、それがとても嬉しくあった。

標準化された一般的に多い住宅では、住み手の個性はその標準の中に納められてしまうだろう。
あるご家族のためだけに設計された住宅にそのような枠はなく、設計当時に思い描いた事は現実となり、
継続するなかで展開し、改めて眺め驚いたり、感心させられたり、嬉しくなったりしてしまう。

私にとっては、初めて『ドマ』のある家を実現できた設計であり、とても思い入れ深い住宅建築でもある。



世界中のお酒があります。というメールに誘われたのだけれど、本当に世界一周する程のバラエティーに富んだお酒があり、
ブラジルのスパークリングワインに始まり、欧州やアメリカ、バルト海、ロシアの、ラムやブランディーウォッカなのか何なのか、
柑橘の味がしたり度数が高かったり低かったり、それに日本酒も加えての飲み会となり、実に楽しく酔ってしまった。


オーナー自らキッチンに立ち料理がはじまったり、ジジの手料理もあり・・・パンにチーズと柿を載せたものは思いの他抜群であった。
奥様の料理はもちろんですが、ここのダイニングはどうもいつも、根が張ってしまうらしく、長居をさせて頂きました。


前事務所の所長と友人を伴い訪ね、現場を担当下さった代理人とも久しぶりにご一緒させて頂き、
酔っていて集合写真も撮り忘れはしたのだけど、次の10年が無事であるよう、またこのような機会を作って頂けるよう、
これからも見守り、また、驚かせて欲しいと願いつつ。




そういえば、初めてプレゼンテーションをさせて頂いた際に製作した1/50スケールの模型を、
竣工から変わらず玄関の飾り棚に飾っていて下さる。
訪ねる時は必ず目に入り、少々、恥ずかしい。それなりに痛んでは来ているものの無事であり、
この住宅の設計に際し抱いた初心を今も伝えるもので、それが10年経過時に鑑みる機会を与えられてしまい、
どこか添削を受けるようで怖くも感じつつ、けれど懐かしむ事も出来、何かもう既に建築の一部のようであり、
つまり、その模型がある限り訪ねた時は玄関で背筋が伸びてしまう。