深度


鉢植えの花が咲き出し、気付くと幾つも咲き、
日陰にも関わらず旺盛、時々差す陽に輝き、
ふと写してみたくなるもののしかし、難しい。
写真が、という意味でなく。

花びら一つ一つに距離がある。花弁?も茎も
ある上に、出来れば幾つもの花を撮りたいが。


一つの開きかけの花を撮る。
マクロレンズと言い、近寄れるレンズで撮ると、
花びら一枚一枚どころか、一枚の凹凸ですらも、
レンズとの距離にはシビアで、ピントが合わん。
出来るだけ絞ることで深度を深くし、しかし、
何がどう写るかは、写してみないと分からん。



よって、数を撮ってみる。試行錯誤。
三脚を立て、きちっと撮れば確かだろうけれど、
ふと思う時は決まって光が綺麗と感じる時だ。

花びらの一枚一枚を、花びらの濃淡を、
何となく好きに撮れたので、載せる。
一枚一枚が各々に光を映えて艶かしく見える。




木の鉢に見つけたのは昨年の事なのだけれど、
この春には一段と大きくなってしまい、
雑草とも呼べるのだけれど、クローバーらしい。
それが黄色い小さな花を咲かせてしまい、
ますます、どうしたものか。抜いても良いのか?


今は屋上に置いていて、これも撮るのは難しく、
しかし、花びらも雌しべ?雄しべ?も撮れた。
このサイズにはどんな虫が飛んでくるのだろう?





で、その鉢の主はミカンなのだけれど、
眺めると甲虫が飛んできた。カナブンの仲間?
そう輝かしい甲ではないものの鈍く光を映える。
土か木か、その中で羽化して間もないだろうに、
チリ一つ纏わずに綺麗な体をしている。
生きている間はメンテ不要なだけ十分な清潔感、
どうしてゴミ一つ付かないのだろう?


しかし、ミカンの葉は変な形をしている。
海老蟹の甲殻類のような面構成だ。




眺めると、絵に描いたようなシンプルさがない。
どれも独特でユニークなカタチに見えるけれど、
説得力だけは揺るがない。