O邸オープンハウスのお知らせ 【 DOMA / yamanote 】

札幌市内、山の手にて建築中のDOMA/yamanoteが間もなく竣工します。
クライアントのご好意によりオープンハウスを開催致します。
10月30日(土曜日)11:00〜18:00、場所は山の手です。



個人宅であり地図掲載を控えております。メール若しくは携帯
まで連絡をお願いします。折り返し案内をお送りします。



山の手の丘上に33坪の小さな住まいが出来ました。


珪藻土塗壁、無垢のフロアー、ドマ床等など質感にこだわり
ました。採光・眺望・換気の窓の他、暖房や仕様にも工夫を
凝らし、快適な生活空間のデザインを試みています。


製作したオリジナルのキッチン、造作の浴室、家具間仕切等
ワンランク上のローコスト仕様を追求したコートハウスです。
この機会に是非体験してみませんか?お待ちしております。

O邸 撮影初日 ( DOMA / yamanote )

O邸撮影の初日。明日も撮らなければ。


本来はプロに任せるべきなのだと思う。自分には空気を写す
腕はない。ただ、自分で写真を撮りたいと思う。出来ることは
粘ること。今日は一日、陽のウツロイと格闘していた。


7時前に8GBのメディアが一杯となり終了する。700枚以上を
撮影している。それだけ撮れば、どの一枚かはという期待を
込めて先ずは眺める。


RAWの現像は今後としてJPEGより抜粋して写真を掲載する。
時間を見つけて写真つくりに励むとしよう。明日も含め恐らく
1000枚を越える写真群、整理は年内に終われるだろうか?



朝のLDK全景。コートへの連続性といい、広がり感が感じら
れる。ドマの効果、住まうスペースの落着きとの兼ね合いが
出来ていて心地よい、と自分は感じている。



2階はプライベートな空間。今後数十年の生活を支えるべく
フレキシブルな対応が出来るよう可動家具間仕切りにより
作られている。ドマの吹抜けと呼応し閉じつつも広がる空間。


     
この不思議な影は西側のスリット窓の光りがドマで反射して
階段を透かして成している。自然光でここまでの演出が可能
とは想像を超えていた。”光”は人為に沿うことなく驚かせる。


     
まだ家具の入らぬ室内にあって生活感をかもすのが洗面台。
クライアントは随分こだわられていた。横長のスリットが鏡に
写りこみ緑を映える。どうでしょう?かなり贅沢な特別な場所。



夜景の撮影は明日も挑戦する。隣家より一歩前に出ているの
で大きく見えるが、見えがかりは実際不安に思うほど小さい。
随分寡黙な佇まいではあるけれど室内はコートと一体化する。






設計者が設計物件で時を過ごす機会とは実は稀なことである。
打合せが長引くことはあってもウツロウ光りを眺めるシーンは
あるわけもない。だから撮影を自分でする機会は大切にしたい。


今日はとても有意義だった。始めてその空間と誰も介さずに
対峙することができた。自分はカメラを手にすることであくまで
仕事として、節度を保つことが出来ている。


刻々と移動する太陽が目まぐるしく変化を誘発したかと思うと、
じっと留まっていたりする。空間が光りにより出来上がる様を
まざまざと実感できる感覚は他に代えがたい喜びがある。


今まで西日の使い方が分からなかった。今日始めて実感する
光景は大きなヒントとなる瞬間でもあった。居合わせた壁塗の
先生と眺め聞く。あの鋭い光りを受ける壁は尋常ではない。


季節を変えてもう少し楽しみたいと切に願う。しかし、気取って
その楽しみをクライアントに譲らなければならない。もちろん、
計算通りです、とか言い放ったりして。


明日もう一日、楽しんでみようと思う。

O邸の現場より。 【 DOMA / yamanote 】

ちらっと現場の写真を。LDK、この家の主たる空間。
来週の月曜日には、いよいよキッチンが設置される。
現場では設備屋さんが給排水工事の真っ最中でした。


機器の取り付けは間もなく本格化する。




    

ドマの吹抜けを上からちらっと眺める。贅沢な空間だ。
階段が取り付いている。これは上手く出来たのでは。
手摺のスチールのフラットバーも軽快ではないか。








敷石をそっと、置きに来られたクライアントとあちこち眺め
ながらお話して過ごす。なんとなく帰りたくない。三角山の
向こうにお日様消え行く頃は建築の表情はめくるめく。


機能や構造は正しく造られる。成果として現れる空間は
どうだろう?静観し、意図の通りか確かめたいと考えつつ、
間もなく終える無力感を感じつつ立ち尽くす。


設計者は直接、手を動かして造るわけではない。故に
竣工に近づくにしたがって手を離れてゆく寂しさもある。
もちろん、出来上がってゆく楽しさと。心情は複雑だ。



で、目下の悩みは命名です。どうしよう?イメージはある
ものの、なかなか決まりません。期待してクライアントの
お二人に見つめられてしまうと逃げ出したくなります。

O邸 光映える壁。 【 DOMA / yamanote 】

今日は打合せで近所をフラフラしていたので、サラッと
現場を覗きに行って来た。引渡しを一週間後に控えた
今時期、特に何かをすることはない。あれば事だ。


既に完了検査の手続きも済ませ、竣工のチェックを待つ
のみ、と言ったところ ・ ・ ・ なんだけれど、刻々と変わる
姿に出来た部分の具合など、やはり気になってしまう。





吹抜のこの壁はプロが塗ったもの。濃色の梁と対比する
コントラストは立面、最後に修正を加えた明り取り高窓が
もたらした夕陽による。ほんの僅かな瞬間に見せる表情。


設計、見積調整を通じクライアントが最後まで譲らずに
願っていたもの、それが質感のある床と壁だった。よう
やく現場にその姿を現す。思わず、見入ってしまった。






コートには木塀が周る。木の塗装はクライアントによる
施主施工。夕陽が強く入り塀に鋭い影を落としていた。







現場でクライアントにお会いした。I氏の入れ知恵により、
敷石を購入してきたらしい。そっと、そこに置おいておけば、
外構の造園業者が仕方なしに設置してくれるハズさ。

O邸 左官の現場にて 【 DOMA / yamanote 】

珪藻土を塗った日は二つの左官作業が行われていた。
一つは珪藻土の塗壁仕上げ。もう一つは浴室のタイル
壁仕上げの下地、モルタル左官の仕事であった。




内装珪藻土の仕上げをしてくれた先生こと職人はそもそも
ドライウォールの職人であったという。一般にはペンキ塗の
壁と解釈されるけれど、ドライウォールはとても好きな仕上。


ドライウォールは何と言っても下地が非常に重要となる。
照明を斜めに当て不陸を確認しつつ、徹底して平滑に仕上
げてこそというとても難易度の高い仕上げである。


そんな高精度の下地の上に仕上げられた壁を見ると、つい
光を当てたくなる衝動に駆られてしまう。実のところ、EPの
ような薄い塗幕、出来る職人は多くはないのかもしれない。


珪藻土は一度塗りとしても厚さがあり下地の精度を上げる
必要はないものとも思う。けれども現場はI氏の手配もあり、
職人が丁寧に下地を整えていてくれていた。






写真を見るとパテ処理の範囲の大きさがわかるだろう。
これがクロスの下地なら処理は半分程度となるだろう。
ちなみに、クロスの壁では斜めからの光は厳禁である。


ドライウォールはテーパーボードをビスで止める。クロスは
隅をカットしたボードを釘で止める。その差は歴然、比較に
はならない。丁寧な下地を思うと仕上がりが楽しみである。





現場前ではモルタル左官職人が道具を確認されていた。
お邪魔して見せて頂く。全部で50はあるというコテ達。
これだけ揃うと壮観だ。引き出すと見事に皆違っている。


同じコテを使う職人でも内装仕上げとモルタル左官とでは
全く違う職種である。彼らの扱うモルタルとは素人には全く
手に負えない代物。それこそ熟練を要する仕事だ。



我々の塗った珪藻土は土そのものではなく、製品となった
もの。粘性も高くコテ技術がなくとも塗ることができる。その
おかげで自由な表情を楽しむことも出来る。



     

クライアントの奥様としばし眺めたのだけれど、職人に
こっちも塗ってみるかと冷やかされた。しゃぶしゃぶの
モルタルを手際良く塗られる様は実に小気味が良い。


惜しむらくはこの壁は下地であり消えてしまうこと。ここは
浴室、タイル仕上げとした一面のその下地。現場には実に
様々な職人が集い、その技を惜しまず費やしてくれている。

O邸、いよいよ壁塗! 【 DOMA / yamanote 】

予算都合のために施主施工となった塗壁、先週末に塗って来た!

     

人数分用意されたパレットとコテ。気合の入る良い風景がそこに。
お遊び半分でも楽しい、珪藻土とは要は泥んこ遊びに他ならない。
しかし、それが仕上げとなれば現場は期待に溢れ、緊張が満ちる。



      

内装塗壁のプロの指導を頂きながらの施工となった当日、集まる
参加者の面々はクライアントご夫妻とお友達、現場管理をしてくれ
ている I 氏と私の5名、そしてプロの”先生”であった。



     


いざ開始!割り当てをつくり皆が思い思いに壁に土を塗りたくる。
逐一先生の指導を仰ぎつつ、慣れないコテをどうにか裁く一同。
壁に塗れず落としてしまった材料の多さには苦笑いされてました。


 

        

クライアントと私。最後の壁に取り掛かる。出隅の角は殊更難しい。
コーナー用の道具をお借りして互いに果敢に挑戦する。


塗り上がりは気持ちのこもる壁が出来上がる。実は”味”はそんな
施工のほうが出てくるもの。良いかどうか上手いか下手か別として。
クロスと違い張替えではなく十数年後にまた塗ることになるだろう。




この日はプロの先生が付き添って下さったので本当に助かった。
感謝しなければならない。困ると「先生!」と呼ぶ。天井や床の隅
に差し掛かると上手くは出来ず、やはり「先生!」と呼ぶ。


作業は午前中で終えてしまう。聞くと先生なら一人で一時間程度の
仕事であったらしい。単に迷惑をお掛けしただけなのかもしれない。
I氏によれば、不備があって補修となれば事なのでこれで良しと。



結局、これがローコスト仕様だったのか?と問えば勝手に我々が
楽しんだだけであったような気もします。楽しいひと時でした。




     

これはリビングにおいて非常に重要な壁。光を受け明るさを作る
壁が私に任されてしまった。いきなり挑戦するも苦戦する。ここは
最後に先生に撫でて頂いた。でも、何本かは私の作った線もある。


現場にてクライアントと作業するというのはそうあることではない。
けれど、そんな機会がもてるのは実際、とっても面白い。皆様、
お疲れ様でした。乾き仕上がりどんな光が映えるのか楽しみです。






壁塗に参加されたクライアントのお友達のブログに記事が載って
ましたので、リンクしました。クライアントと3人で事前に講習を受け
ての挑戦でした。楽しまれたでしょうか。

銘木 【 DOMA / yamanote 】

O邸のクライアントより家具の相談を受けていたこともあり、お世話に
なっている銘木店を久しぶりに訪ねて来た。規格化された床柱などを
除くと今の建築現場では銘木を扱う機会とは、実は稀である。


無垢材は集成材や合板等と異なり変化は大きい。使ったことのない
施工者も少なくないかもしれない。扱いには手間を要するし、製品と
して在庫されているわけではなく、値段は時価、言い値かもしれない。



この銘木店の店主、口は悪くズケズケ物を言う。うん蓄は面白く、
話は長い。聞くと色々なことを教えてくれ、木とどう接するのかを
自身の経験を通して適切に伝えてくれる数少ない人だと思う。


倉庫のような店内には丸太から引いた板材が所狭しと並ぶ。その中
から一枚一枚取り出して眺める行為はかなり面白い。多くの樹種が
あり、木目は様々。触った感触や匂い、眺めていて飽きない場所だ。


ミソは一枚一枚に価格の表示があることだろう。丁寧に取置かれて
いる半材や切り落としの木っ端からはイメージが浮かびそう。しかも
安価ですし。使い道も考えず「買おうかな」と思ったりしてしまう。







クライアントの意中はテーブル。4枚ハギのタモ無垢の試作品だった。
非常にお買い得な設定、ただし磨き仕上と塗装は自前である。場所
も道具も提供してくれ、教えても頂けるので作業は安心して出来る。


自分のテーブルともなれば気合も愛情も違うだろう。傷やシミは磨け
ば消え落とせ、いつまでも使える一品となる。塗装にウレタンのような
テカテカの硬い塗膜のものは使わない。無垢材の風合い、質感を損な
わない適切なものを使う。さてどうなるでしょう。


家を考えるなら、一度は覗いてみても損はないのではと思う。
何に使おうかな?なんて想像しだすと楽しく過ごせます。