間接照明

マンションの現場に行くと
照明器具を設置していた。
間接照明は注意がいる。
不用意に設置すれば、
写真のようなことになる。


優しく空間を包むように、
奥から光を発したいのに、
これでは手前が影となり、
イメージとは異なる。






その場で思案し、相談し、取り付け前の器具を
灯して頂き、向きや位置を検討する。
ギリギリ見えず、必要十分に照らす位置を探す。
既に付いている器具もこれに習い、再設置となる。


それは数ミリの差であり現場でしか判断が出来ない。
自分自身も懸命、職人を巻き込み奮闘する。


間接照明は狭い隙間に設置する。設置場所はしかし、
覗いても見えない。顔をゆがめながら覗き込み、
必死で取り付け位置と方法を確認してゆく。


こうして、ああでもない、こうでもないと始まると、
現場は俄然、楽しくなってくる。




やり直し、という手間を厭わず真摯に受け止め、
ではどう施工しようかと思案する職人さん。


意図が伝わり、「わかった。」と笑顔を見せる。
あとは任せるのみ。
きっと次に会う時は、その笑顔は見せない。
私が喜ぶ顔を「だろ?」という顔で覗くのだろう。