森に灯る桂

10月は2度、道東のお寺の現場へ行く。
仕事の時はまず、どこにも寄らない。
けれど道東道(高速道路)へ向かう途中、
天気の良さに誘われて少し遠回り、寄道する。


寄ったのはオンネトー。自分の好きな場所だ。
今年の紅葉は遅いらしく、色づきも良いとは言えない。


キャンプ場のある場所、観光道路の奥にある。
ここをフラフラと歩くのはともて気持ちが良い。


その湖畔の大きな木のある森、そこに一本の桂がある。
昔から在るこの桂、この木は特に存在感がある。


桂の葉は小さく円い。紅葉の季節に輝き出す。
深い森に燃えるように煌々と灯る桂、好きだ。






こちらも好きな場所、チミケップ。
そこにも、好きな桂がかつて在った。
数年前に切られてしまい、今はない。


これは学生の頃に撮った古い写真。スキャンが残っていた。
卒業設計に臨む際、自分のイメージを確かめ探し、出会う。
曇空の薄暗い森、この桂もまた”標”のように灯っていた。




これはオンネトーの桂の葉。
珍しく押してみたもの。枯れた色ではあるけれど。




これはチミケップの桂。何時だか年賀状にした。
まだ版画を刷っていたころのもの。
出来は今一つなのだけれど、気に入っている。
背景に燃える葉、細い枝、層を重ねた太い幹、
この構成に気が付いたのはこの時かな。