2016-01-01から1年間の記事一覧
設計を始める前には事前調査をする。確認するのは『要望』『予算』『敷地』、大きくはこのような具合。 『予算』については、事前に銀行等に相談頂く必要がある。具体的には計画案が出来た時に審査を受ける事となる。 調査について、ここでは『敷地』につい…
クライアントに初めてお会いしたのは2015年の初春の頃の事。 お聞きした要望には正直、絶句したかも。 予算をお聞きし、ざっと坪単価を想定して割り返し建築規模を確認、スケッチをその場で起こしてみると、 非常にタイトな建築ではあるけれど、クライアント…
ファイルは5冊になった【 MoAi in ny 】。 設計図書 :実施図面は34枚製作 ファイル1:計画 ファイル2:見積書関係 ファイル3:監理 ファイル4:監理時スケッチ ファイル5:確認業務 住宅一つを設計するとファイルはいつもこんな具合に積み上がる。 …
この住宅はとても大きな家なのだけれど、それを大きな空間のままプランをしていて、 それがあまりにオープンなので、設計当時の自分は勇気があったなー、勇敢だったなー、 挑戦者だったんだなーと改めて思う。 そして、そこに10年住まわれたオーナーが在り…
この11月で築10年を迎える札幌近郊の住宅【 bookshelf 】、先日はお招き頂き、ご馳走になりました。 しばしば遊びにもお誘い頂いているので、定期的には通っていたものの、改めて眺めてみて思う事は多々。 実に丁寧に住まわれていて、建築は綺麗。あらわ…
『ドマ』のある設計した住宅、そのドマは条件も状況も異なり、使われ方も光景も、眺める風景も当然違う。 それは場所の特性を活かし、住まうご家族のために設計した住宅の個性を映え、違う事が当然なのだけれど 、実は「在る」事が重要で、あれば、場所の特…
住宅設計の際はいつも、10年単位での変化を考え、取り組むよう心掛けている。 幼い子供のいる家族なら、最初の10年は家族一緒、次の10年は思春期の子供達、でも、次の10年には家に居ないはず。 30年後は夫婦二人の生活が基本となるだろうか。二世…
とある所要の際、ちょいと随分遠回りをして道草を。 訪ねたのは美唄のアルテピアッツァ。 アルテよりやや奥にある公園にある彫刻。 札に「盆踊り」という言葉が使われていた。賑やかだった頃の盆踊りは盛大だったに違いない。 ふと眺めると、踊っているよう…
帯広で設計した27坪で二世帯の住宅は、建設自体が危ぶまれたものの無事に竣工しました。自分は竣工引渡しまでを観察しましたが、届くメールでは・・・本当に住まわれているらしく、それはいつも同じ不思議な体験でもあるのですが、つい先日まで自分の建築と…
恵庭には柏木Bとカリンバという縄文の遺跡がある。道新一面で紹介されていたのが月曜日だったかな。 写真は『石棒』、柏木B遺跡出土のもの。初めてみたのは開拓記念館(現・北海道博物館)にあった複製だった。 これと出会っていなければ、縄文への興味は…
小規模の建築、どうスペースを確保しようか?これは、計画当初からの大きな悩みであった。 写真のスペースは半地空間。半地下は高価になる恐れがあり、危ぶまれもしたのだけれど、 見積もりに残す事が出来た。半階降りると主たるスペース、半階上るとLOFTが…
子供達の声が聞こえるのだけれど、どこに居るのかわからない・・・と、オーナーから感想が届いた。 してやったり!という気分だった。 LDKとSTUDYルームは、床というよりは橋、で結ばれている。 下から見上げるとこのような具合。木組の格子の橋となっている…
リビングには趣味スペースと考えたLOFTがある。 このグレーの塔の内側には水廻りとトイレが 納まり、その上部にスペースがある。 狭いのでスペース全景は撮れないのだけれど、 STUDYルームのLOFTの小窓から眺める事が出来る。 このLOFTからは天井の高いリビ…
2階に設けたもう一つのスペースは、水廻りを 納めたグレーの塔を挟みLDKの反対側に在る。LOFTのあるSTUDY ROOM。 オープンなスペースと、二つに分かれたLOFT、 その下の収納スペースからなる。 左手は通路の向こうにダイニングが見える。 仕切り無く連続…
夜な夜な帯広の住宅の写真を現像しつつ過ごし、 出来た写真に喜んで夜更けに書くと、どうも 興奮した勢いだけのものに感じられ恥ずかしい。 気を取り直して改めて書いて行こうかな。 午後5時前のリビング・ダイニングの風景。写真中央の壁に四角く映えるの…
照明は、必要な場所に必要な照度を得る事と、 明るさ感を得る事、安全に配慮し足元灯も含め、 計画をしている。 家族の集う時、夫婦の時間、又は映画を観る等、 様々な用途が想定されるリビングには組合せの 選択肢を多く設けている。全点灯は稀として、 組…
竣工写真をたくさん撮ってしまい現像や選定に 手間を要していて・・・気長に取り組むように 方針転換する。最早、時間に追われる事もなし。 監理時は現場が動く中、クライアントに判断を 頂くべく取り組むとなると、時間に追われる。 写真、クライアントは楽…
外構は引渡後の残工事があり、写真は竣工の 一歩手前。改めて竣工を撮りたい気持ちもある ものの降雪の冬景色にも興味あり、そして どちらかと言えば、初めて敷地を訪ねた時が 桜の季節だった事もあり、来春に訪ねたい 気持ちが強い。※敷地手前に桜の木があ…
竣工写真とは、実はあまりチャンスがない。 引渡し前とは実際、現場は忙しなくある。 工務店の計らいもあり、久しぶりにじっくり、 観察出来る機会を頂けて嬉しい時間だった。 板金の外壁は時間帯により随分表情が変わる。 同じアングルを様々試してみると、…
引渡の前日から帯広に入り、撮影をした。 翌日まで滞在、丸一日の陽のウツロイを 観察してくる事が出来た。 西面の窓は特に印象的な光を演出してくれる。 LDKの西面の高窓は夕刻、低い陽射しが差す。 LDKの反対側にある壁にまで届き陽が映える。 高窓…
設計の仕事に『確認業務』がある。 建築しようとする建築物が、 建築基準関係規定等に適合する事を 図面や検査にて確認する申請業務。 確認業務の基本は確認申請と完了検査。 申請は特定行政庁つまり市町村や振興局、 今は民間の申請機関にも申請が出来る。 …
設計監理中の帯広の住宅は最終盤、現場は佳境。 ふと眺める光景は夕暮れ前、電球色の光と、 建具職人の青い服といい、色とりどりであった。 なかなか趣きのある室内風景になれそう。 この住宅の具現は危ぶまれていた。 要望と敷地、予算の関係はなかなか合致…
建築、空間は光、スケール感、テクスチャー、 どう呼ぶかは様々ながら、3つ要素から成る。 私は光が気になって仕方なく、自然光採光は 設計において特に大切に取り組んでいる。 自然光採光は絶対に誤魔化しの出来ないもの、 故に使いこなすのが非常に難しい…
ピザ窯を作ったので遊びに来て下さい。 と便りがあり、訪ねたのは先週の事。 久しぶりとなる函館は約3年ぶりだろうか。 天候にも恵まれ、本当に気持ちが良かった。 函館山を望む風景は今も変わりがない。 訪ねたのはまもなく7年を迎える道南の家。※この住宅…
函館の帰りは下道をゆっくり海を眺め走る。 室蘭はイタンキ浜の東、クジラ半島の見える浜で、 昼と夜が入れ替わる瞬間に立ち会う。 時間にして10分もない刹那。 この光景が毎日あるのだと思うと凄い事だ。 学生の頃にあれだけ通った場所なのに、 この刹那を…
先日載せた函館の住宅のスケッチ、 切妻屋根か勾配屋根の単純な家? と知人の指摘があり、不足なので 補足のものを貼り説明を加えます。 相当な苦労をして取り組んで頂いた 工務店の苦労は正しく伝えたい。 丹精に見える室内。 人の知覚は不思議、脳は事物を…
工事の進む帯広の住宅、窓の写真が届いた。 素直に、いいなーと思う。 採光窓の威力は絶大。 この窓は眺望のためではなく、換気を期待し、 そして採光を担う天井隅に設けた窓。 一般には設けられない場所の窓なので、 「なぜそこに?」と問われる事もある。 …
学生時代、感性ではなく理論から設計に取り組む先輩が居た。我々の多くが感性で勝負する中で特別な人であった。 彼曰く、恩師の設計は断面が良い、と。その言葉が離れずに居て、かつ、理論から展開するデザインへの興味もあり、自分自身は感性に頼るタイプで…
動線・・・室内を人がどのように移動するのか?プランを考える際にはとても重要になる。 例えばマンションやアパートの場合、一本の廊下に数珠繋ぎに部屋が並ぶものが あるだろうか。想像し易いものと思う。 効率的な動線の事例となる。 けれど、効率的だけ…
道南は5年あまりの間、二つの住宅の設計に 携わり通う機会があった。 観光地ではあるけれど、観光をした事が 殆どなく、仕事の際はその余裕もない。 訪ねる際は常に、感じる事に努めていた。 自分自身が住まう事を想像するに十分なだけ 知る事を心掛ける。様…